国家政策「介護離職ゼロ」の前にやるべきこと

国家政策「介護離職ゼロ」の前にやるべきこと

介護離職ゼロ政策とは

この政策名を聞き、初めは介護離職率をゼロにする事だろうと思いました。
重労働と低賃金による人材不足を、身をもって感じていたからです。
しかし、政策内容は見当外れとも言える物でした。
簡単に説明すると「施設が足りないなら増やせばいい」です。
特別養護老人ホーム(特養)の整備を進め、施設に入れず待機している要介護度3以上の高齢者約15万人を入所させ、2020年までにゼロにしてしまおうという事です。
この政策の「介護離職」とは介護従事者が介護職から離れる事ではなく、他企業等労働者が家族の介護のために離職するという意味です。
確かにそれも大事なことですね。ですが、もっと重要視するべき国の介護事情はたくさんあるのでは?と思わずには居られません。
介護施設で働いており、現場の状態をよく知る人は「介護離職ゼロ」の政策名でぬか喜びしてしまった事でしょう。
現場からは「増やした施設の職員はどこからか沸いてでる訳じゃない」と怒りの声が上がっています。

介護職員は常に不足している

介護職に携わる、実に6割以上が3年間続かず離職しています。
施設を増やしたところで、働き手が足りないのです。
低賃金で雇える外国人労働者の大量雇用でも考えているのでしょうか?
特に外国人労働者に不満がある訳ではないですが、利用者とのコミュニケーションや職員間の調和であったりと簡単にはいかないでしょう。
3年離職率が7割にも及ぶ理由は何なのでしょう?
その理由は、職場の人間関係に問題があった為(24.7%)、運営方針に不満があった為(23.3%)、収入が少ない為(17.6%)、将来の見込みが立たない為(15.1%)とあります。
介護職の離職率問題を打開すべく介護報酬(介護サービス提供事業者に支払われる報酬)を引き下げ、その分を介護職員にまわすことで、一人あたり月額一万アップするという方針が打ち出されましたが、果たして本当に介護職員の経済状況は改善したのでしょうか。
介護事業者から支払われる低い賃金に不信感を抱いた事のない人が、介護従事者の中にどれ位いるでしょうか。

「介護離職ゼロ」政策の前に

まず国は上記で述べたような不透明部分をクリアにする対策をし、重労働と低賃金から来る介護「職」離職率の問題を先に解消するのが本当なのではと考えます。

例えば過度なサービス残業。介護職をはじめ福祉系専門職の残業は限界を超えています。そのため残業のない派遣社員への転職も増えています。

人材が確保できるだけまだいいのですが、将来的には同じ職場で長く働くことができる正社員は最善と考えられます。そのためには、正社員として働く介護士の給料や待遇の改善が最優先ではないでしょうか?

事業者への介護報酬を削減するのはいいですが、下げた分だけ介護士に反映されるような仕組みを早急に作るべきです。

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